ヤマメとサクラマスの違い

  • 2019年1月8日
  • 2020年4月20日
  • 釣り

ヤマメとサクラマスって何が違うの?よく同じ魚だって聞くけど…」といった疑問について、今回は両者の違いをご紹介していきます。

この2種は同一の魚であるという意見も良く聞かれますが、厳密にいうと「ヤマメ」と「サクラマス」には大きな違いがいくつかあります。この記事では両者の比較を交えつつ、何が違うか分かりやすくご説明します。

ヤマメとサクラマスの違いは成長過程

よく勘違いされがちですが、ヤマメとサクラマスはサケ目サケ科に属する全く同じ魚です。ただ、両者は成長過程が異なり、孵化した後「川に残るのがヤマメ」「海に下るのがサクラマス」とよばれます。ちなみにヤマメを河川残留型、サクラマスを降海型といいます。


成長過程の分かれ道は、稚魚のときにエサをどれだけ食べれたかによって決まります。(エサをしっかり食べることができた個体は川に残って「ヤマメ」となり、食べれなかった個体はエサを求め海へ下り「サクラマス」となります。)


春頃に海へ下った個体は1年間海を移動しながら成長します。海で育つサクラマスは約60センチほどの大きさで、中には70センチ程度まで大きくなることもあります。


海へ下ってから1年後の春、生き残ったサクラマスは産卵のために故郷の川へ遡上し、10月の産卵期になるまで身を潜めます。ちなみに、サクラマスの産卵期は一般的に禁漁となります。


産卵期にはサクラマス同士だけでなく、メスのサクラマスが産んだ卵にヤマメのオスが放精することもあります。産卵期はどちらも同じで、サクラマスは産卵後に死んでしまいますが、ヤマメはそのまま河川で生き続けます。

ヤマメとサクラマスの見た目の違い

ヤマメとサクラマスは同じ種類の魚といえど見た目が全く異なります。ここでは実際の写真を比べながら、両者の特徴について解説していきます。

ヤマメの見た目

ヤマメの特徴は全身にある模様(パーマーク)です。ヤマメは渓流の女王と呼ばれていて、多くの釣り人がこの模様に心を惹かれています。


生息域は神奈川県以北の太平洋側、日本海全域、九州の一部とされていましたが、近年各地の河川で稚魚が放流されるようになり、今では全国的に生息しています。サイズに関しては、成魚で20センチ~30センチくらいになります。


パーマークは成長するにつれて次第に大きくなります。パーマークがある理由は、外敵から身を守るためだと言われています。(群れとなったヤマメの無数のパーマークが外敵の目をくらませるなど。)

サクラマスの見た目

サクラマスの特徴は全身が銀白色で、たまに市場で見かける「サケ」と似ています。産卵期になると銀白色の身体にピンク色の模様がでることもあり、それが桜の色を想起させることから「サクラマス」と呼ばれるようになったそうです。


サイズは成魚で40センチ~60センチくらいになり、個体によっては70センチ近くまで成長することもあります。


ヤマメが茶系色であるのに対し、サクラマスが銀白色となる理由は、川から海へ下る際、淡水ではなく海水で生きていくために表皮を変えるからだと言われています。

ヤマメとサクラマスの味の違い

どちらもお店ではあまり見かけない魚ですが、両方とも美味しいです。川魚特有の淡泊な白身を味わえるヤマメと、サケと似ていてい繊細な身肉をしたサクラマスで向き・不向きの料理があったりします。

・ヤマメは塩焼きや唐揚げといったシンプルな料理向き

・サクラマスはホイル焼きやムニエルといった料理向き

上記でご紹介した料理以外でも、南蛮漬けやムニエルなども美味しいので、食べる機会があった際はぜひ試してみてください。